クリヤー塗膜でS. W. O. M.ばくろの物性値(ヤング率・抗張力・伸び率),Tg・弾性率,可塑剤残存率,塩ビ樹脂の分子量挙動におよぼす影響を確認た結果,(1)物性値に関して,特に著しい変化を示したのは膜厚60μmの試料であった.(2)Tgおよび弾性率は,いずれの膜厚の試料もばくろ経時とともに上昇した.(3)可塑剤残存率は,膜厚による差は大きくなく,いずれの試料も500hで二次可塑剤はすべて揮散していた.(4)塩ビ樹脂の分子量挙動に関しては,膜厚60μmの試料は120μm,200μmの試料と比較すると分子量分布はブロードになっており500hで著しい変化を示した.また,カルボニル基の生成も膜厚60μmの方が激しかった.また,ソルトスプレーテストの結果,膜厚60μmの試料は,カット部において120μm,200μmの膜厚の試料よりも劣っていた.顔料入り塗膜の外観変化をS. W. O. M.ばくろ3700h行ったが,3700hでのカルボニル基の生成および可塑剤残存率を調べた結果,クリヤー塗膜よりもカルボニル基の生成は少なく,また可塑剤残存率も高い値を示した.