出处
期刊:Nippon Nōgei Kagakukaishi
[Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry]
日期:1972-01-01
卷期号:46 (9): 429-435
摘要
CCl4処理したラットに無機32Pを腹腔内に注射し, 1時間後における肝臓あるいは血漿の各PL画分への取り込みを,対照ラットと比較した. (1) CCl4処理6時間後までは,肝臓および血漿のPL画分への32Pの取り込みは高くなったが, 20時間後では,いずれも低下した. (2) CCl4,処理6時間後において, 32の肝臓PEへの取り込みは,対照区と比較して減少し,逆に肝臓PCへの取り込みは増加した. 20時間後では両成分とも減少し,とくにPEで顕著であった. (3)肝臓のPCおよびPEの分子種では, CCl4処理によりヘキサエン型の32P活性が低下し,モノエンおよびジエン型で上昇した.このことはCCl4処理により,トリ不飽和酸からのより高度な不飽和成分の生成が低下し,逆に飽和酸からのモノ不飽和酸の生成は,高進されたことを示すものである.なお,本実験条件下では,PCおよびPEのテトラエン型分子種の合成は,きわめて低いことが示された. (4)以上のことから, CCl4処理後の時間の経過に伴って,肝臓のPCおよびPEの合成,異化および相互変換などにあずかる諸反応過程が著しく阻害を受け,ひいてはPLの濃度減少と質的変化を引き起こし,リポ蛋白質の血中への搬出が抑制されることが示唆された.