摘要
A novel long range passive RFID tag with 30 m reading distance under ARIB standards is proposed. The proposed tag is composed of a divided microstrip antenna and a passive voltage multiplying circuit. The received level at the reader for the case of the proposed tag is about 10 dB greater than that for the case of the dipole antenna of the conventional tag. Since the antenna is a microstrip type antenna having a ground plane, it can be used in the vicinity of a metal structure. The proposed rectifying circuit is composed of a tank circuit of a λ/4 short stub and modified 3-stage Cockcroft-Walton circuit and can convert from -20 dBm (Zo=50Ω) RF input of 950 MHz or 2.45 GHz to more than 0.6 V DC voltages at load current 2 μA for the transponding operation. The size of fabricated tags for 950 MHz band is 90x60x4 mm and that for 2.45 GHz band is 70x25x4 mm. Keyword Passive RFID,Temperature sensor,Long range communication,Microstrip antenna, Multiplying rectifier 社団法人 電子情報通信学会 信学技報 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, TECHNICAL REPORT OF IEICE INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS WBS2004-152, A.P2004-333,RCS2004-420 MoMuC2004-203,MW2004-330 (2005-03) 180 1. まえがき 近年,ユビキタス・ネットワークの実現手段として 無線タグの様々な応用が報告されている.無線タグシ ステムは,質問器(タグリーダ)と無線タグ(RFID) によって構成される.小形パッシブ動作で,かつ各種 センサ機能を有し,応答距離が 10m を超える無線タグ が安価に入手可能になれば,単なるバーコードの代替 としてだけでなく,これまで難しかった大規模な社会 インフラストラクチャを高い自由度で構築することが でき,全く新しい未来のネットワーク社会を実現でき るものと考えられる. 本報告では,これまでに提案した2つの技術,即ち 2分割マイクロストリップ3端子アンテナと受電昇圧 整流回路 [1],[2]を用いて温度センサ付きパッシブ無線 タグを開発・試作した結果について述べる.この無線 タグは,950MHz 帯 4W EIRP[3]及び 2.45GHz 帯 RCR STD-1 規格 [4]で,それぞれ 30m の距離まで応答できる. また,試作した無線タグの大きさは,950MHz 帯が名 刺大,2.45GHz 帯が名刺の 1/4 の面積である. 2. タグアンテナ 図1にダイポールアンテナを用いた従来型のパッ シブ無線タグ [5]の構成を示す.可変インピーダンス素 子 Zv は無線タグからの応答信号を返送するためにダ イポールアンテナの端子 A-B 間に接続されている.ま た,無線タグ内の制御回路を動作させるための受電整 流回路も同じ端子 A-B 間に並列接続される.このため, 互いに影響しあうという欠点があった. 図2に提案する2分割マイクロストリップ3端子 アンテナを用いたパッシブ無線タグの構成を示す.こ の図で可変インピーダンス素子 Zv として利用するダ イオードは,アンテナ端子 A-B 間に接続され,受電昇 圧整流回路は端子 B-C 間に接続されており,互いの動 作に影響しにくい構成である.また,地板を有してい るために,金属等に密着して使用することができ,か つ後述するように受電昇圧整流のためのλ /4 ショート スタブ共振回路を容易に一体化することができる. 図3に質問器での無線タグからの応答信号レベル の解析モデルを示す.ここで, f0 は質問器から送信す る RF 信号周波数であり,fLO はダイオードに加える変 調信号周波数である. f0+fLO の周波数の応答信号は質 問器アンテナで受信され,ハイブリッド回路を介して 受信機に接続されるものとする.また,ダイオードと して PIN ダイオードを想定している.図4は,キャリ ア周波数 f0=2.45GHz とし,質問器とタグ間の距離 z=83 λ o(λ o=12.2cm)の質問器における応答信号受信レベ ルを質問器からの RF 送信電力で規格化した解析結果 である.ただし,数値解析はモーメント法を用いて行 った.この図では,タグアンテナの長さ L を横軸にと り,地板のない従来型のダイポールアンテナを用いた 場合と地板を有する提案型マイクロストリップアンテ ナを用いた場合の比較をしている.両者のストリップ 導体幅 w=0.053λ o 及び可変インピーダンス素子とし て装荷した PIN ダイオードの順方向等価直列抵抗 Rs=1 Ω,逆方向接合容量 C0=2 pF は共通とした.また,マ イクロストリップアンテナのストリップ導体と地板間 の距離 h=0.02λ o とした.この図を見て分かるように, 提案型マイクロストリップアンテナを用いたタグから の応答信号レベルは,従来のダイポール型と比較して, ほぼ同じアンテナ長で約 10dB 高い.これは,無線タ グにおける応答信号レベルがタグアンテナの利得の2 乗に比例すること,及び後述するように可変インピー ダンス素子がアンテナの反射条件を効率良く制御でき ていることによるものである.