作者
Yoshito OHTAKE,Tomoko Kobayashi,Shigeki Itoh,Yuka YAMAMOTO,Masuo YABUKI,Hitoshi Asabe,Katsumichi Ono
摘要
比較的微生物活性の高い土壌で32~37年間埋没していたPS, UF, PVC, LDPEの4種類のポリマーの微生物による影響を調べた. その結果, PS, UFについてはいずれも変化は認められなかった. PVCについてはPS同様に外観の変化は認められないが, 表面近傍で可塑剤の減少およびポリマーの酸化劣化が認められた. LDPEは白化現象を伴い, 土壌にフィルム表裏とも接触していたものについてはボロボロとなり, 崩壊, 分解の激しさを示している. また, フィルム同士が重なり合い土壌と接触していない部分では, 透明性が保たれ, フィルムに特有の光沢を失っていないことや, 好気性菌の活発な地表近傍で採取された試料に, 特に激しい劣化分解現象がみられた. これらのLDPEフィルム中に, 酸化防止剤の存在は一切認められなかった.LDPEの白化部分と透明部分のFT-IR差スペクトルではC=O基の存在が認められたが, さらにこの2つの部分のエチルエーテル抽出物(低分子物)について同様のFT-IR分析を行うとC=O基の増加とともに, OH, OOH, COORのピークが認められた. また, 劣化の非常に激しい部分ではC=O基は少なく, 土壌に接していない部分と同じレベルにあった. 白化部と透明部のエチルエーテル抽出量は白化部の方が2倍ほど多く, 微生物による影響で低分子化が進行していることが示唆された. このためLDPEは32年以上の長期においては土壌中の微生物により, 強い影響を受けていたことが確認された.