摘要
1) dieldrin, lindane, chlordane, diazinon, DDVPの各濃度のキシレン溶液をベニヤ板に滴下し, 薬量の異る残渣にチヤバネゴキブリ成虫を, 2分, 10分, 1時間, 6時間, 24時間それぞれ強制的に接触させて, 6日後の仰転率を求め, これから殺虫剤の部分処理によるチヤバネゴキブリ駆除についての基礎的な資料を得た.2) 6日後の仰転率から得た各薬剤のKD-50の値は接触時間が延長するにしたがつて小さくなり, KD-50の対数値は, 接触時間の対数値に対して, おおむね一直線上にならぶ.しかし, ♀成虫を用いた場合, lindaneとdieldrinでは2つの直線に分れる傾向にある.そしてlindaneでは, 接触時間が短い場合の直線の傾斜が急であり, 逆にdieldrinではその時間が長い場合の傾斜が急である.3) 6日後の仰転率から得たKD-50によつて比較すると, ♀♂いずれにおいても, dieldrinが最も有効であり, 以下の順位は, ♂では, lindane, chlordane, diazinon, DDVPの順序になる.♀では, これら(DDVPを除く)の薬剤の効力の間に大きな差はない.4)この試験法によつてチヤバネゴキブリの♀♂の感受性を比較した結果, diazinonで♀♂の感受性が比較的接近しており, ついでdieldrin, chlordane, lindaneの順位で, ♂の感受性が♀のそれに対して相対的に大きくなる.なお, ♀♂の感受性比の比較的大きいlindane, chlordaneでは, 接触時間が短く, 高濃度を処理した場合に, ♀♂の感受性が特に大きく異る傾向にある.5)接触殺虫剤の部分処理によるチヤバネゴキブリ駆除という立場から, 各種殺虫剤の実用価値を比較考察すると, dieldrinが最もすぐれており, lindane, chlordane, diazinonがこれにつぐ. DDVPはこの処理方式では効果が遥かに小さい.