作者
Soichiro NOBUOKA,Akira Nagae,Kazuaki Ado,Tomiko Nikaido
摘要
形のちがった酸化鉄について,粒子の大きさと,顔料としての諸性質との関係について調べた。試料としては,(1)硫酸鉄の加水分解により成長させたGoethiteの針状粒子,(2)Goethiteを脱水してえられる針状形Hematite,(3)水酸化鉄(III)の加圧水熱処理により生成する立方形Hematiteの3種類について粒子の大きさと,陰ぺい力,吸油量,色との関係を検討し次の結果をえた。顔料粒子に光が当った場合,粒子径が小さいほど表面反射が増し,陰ぺい力,明度ともに大きくなる。ところが,その大きさが光の波長以下の微小粒子になると,普通の反射,屈折と異なった光の散乱,回折などの現象により顔料が透明性をおびてくる。したがって粒子の大きさと,陰ぺい力,明度との間においては最大点が見出され,またその最大点は陰ぺい力の場合と,明度の場合とで,粒子径が近似している。すなわち,(1)針状形Goethiteの場合,粒子の幅150~177mμ で陰ぺい力,明度ともに最大値を示した。(2)針状形Hematiteの場合,粒子の幅150mμ 付近で陰ぺい力は最大,約113mμ で明度が最大であった。(3)立方状Hematiteの場合,粒子径186mμ以下では未だ陰ぺい力,明度ともに最大点が見出せなかった。