作者
Teturo Onishi,Fujio Masuda,Tadamasa Sasaki,Yoshikazu Arai,Ryo Shoji,Zuisho Chen,Gyojiro Nakada,Tsukuru Shimada,Toyohei Machida
摘要
腎細胞癌50例 (stage 1が12例, stage 2が15例, stage 3Aが5例, stage 3Bが2例, stage 3Cが1例, stage 4Aが1例, stage 4Bが14例) の腎動脈撮影時における静脈像所見について検討を行つた.腎動脈撮影で腎静脈本幹が描出されたものは, 50例中21例 (42%) で, 正常腎の腎静脈描出率83% (30例中25例) より低かつた. また患側別では, 右側が28例中9例 (32%), 左側が22例中12例 (55%) であり, 右腎静脈は左腎静脈と比較して描出率が低かつた. 一方, high stage (stage 3およびstage 4)は, low stage (stage 1およびstage 2) に比べて, 腎静脈描出率が低かつたが, high stageのうち腎静脈腫瘍血栓を除けば, 腎静脈描出率は low stage のそれと同程度であつた.腎動静脈瘻は50例中6例 (12%) に認めたが, そのうち腎静脈腫瘍血栓は3例 (50%) と高率に合併していたが, その予後は必ずしも悪くない傾向であつた.腎静脈腫瘍血栓を認めた13例中, 腎動脈撮影で striated vascular pattern は10例 (77%) に描出された.側副静脈は50例中11例 (22%) に認めたが, そのうち腎静脈腫瘍血栓の合併は5例 (45%) で, 残り6例は腎静脈腫瘍血栓が認められないにもかかわらず, 側副静脈が描出されており, 腎静脈腫瘍血栓と側副静脈描出の関連性は少ないと考えられた.