摘要
豚における高せん維質飼料の栄養価を推定するため,胃および小腸での消化を模倣したin vitro法にナイロンバッグ法(NB法)による大腸での消化過程を加えた方法(in vitro-NB法)について検討した.1)この方法は,約0.2gの試料とin vitro法と同様にペプシン溶液および小腸液で人工的に処理した後,残渣をナイロンバッグに詰め,これを小腸末端に装着したカニューレに投入,糞とともに回収して,残渣の乾物量から消化(消失)率を求める方法である,供試試料は,品種および刈取時期が異なる7種のとうもろこしサイレージと,ルーサンミール,麸および稲わらから酸およびアルカリ処理によって調製した3種の粗せん維物質で,これらについてin vitro法およびin vitro-NB法で乾物消化率を測定し,また,とうもろこしサイレージの場合には,その値を豚によるin vivoの値と比較した.2) とうもろこしサイレージのin vitro法による消化率は平均43.8%となり,in vitro-NB法(61.0%)およびin vivo法(61.8%)よりも明らかに低かった(P〈0.01).in vitro-NB法とin vivo法では,とうもろこしサイレージ7点のうち1サンプルを除けば,各試料で類似した値をえた.in vivoの乾物消化率がin vitro-NB法よりも著しく高くなった試料を除いた6点についての相関をみると,in vitro法とin vivo法で0.98,in vitro-NB法とin vivo法で0.99といずれもきわめて高かった.3) ルーサンミール,麸および稲わらから調製した粗せん維物質のin vitro法による乾物の消化率はいずれもほとんどゼロであった.in vitro-NB法での消化率はそれぞれ21.2,19.3および7.2%となり,日本標準飼料成分表に記載のあるルーサンミール(アルファルファミール)および麸の粗ぜん維の消化率,それぞれ,23および21%と極めて近似した値となった.