作者
Qiu-Bo Yang,Yuichi Izumi,Mutsumi Minami,Takeshi SUEDA
摘要
Interleukin-1 (IL-1) は歯周炎の発症および進行において重要な役割を果している。IL-1には, IL-1α, IL-1βおよびIL-1receptor antagonist (IL-1ra) が存在し, IL-1raはIL-1αとIL-1βの特異的抑制因子である。そこで, 歯周組織の炎症の変化によるIL-1α, IL―1βおよびIL-1ra量の変動を明らかにするために, 成人性歯周炎患者において, scaling/root planing (Sc/RP) 前およびSc/RP後2週, 4週, 12週に臨床的診査を行い, 同時に歯肉溝滲出液 (GCF) 中IL-1α, IL-1βおよびIL-1ra量をsandwich ELISA法により測定した。その結果, bleeding on probing (+), probing depth 3~6mm, clinical attachment loss 3~7mmのinflamed moderate pockets (MP, 18部位) は, bleeding on probing (-), probing depth 3mm未満, clini-cal attachment loss3mm未満のshallow pockets (SP, 9部位) と比較して, IL-1α, IL-1β量は有意に高い値を示し, IL-1ra量は高い傾向が認められ, IL-1α, IL-1βに対するIL-1raの比率は低下する傾向が示された。Sc/RPを行ったMP16部位では, 臨床指数はSc/RP後に有意な減少を示し, 12週まで維持された。Sc/ RP後2週からIL-1α量, IL-1β量は有意な減少が認められ, IL-1ra量は4週, 12週に若干減少する傾向が認められた。さらに, IL-1α, IL-1βに対するIL-1raの比率はSc/RP後で有意に上昇した。以上の結果から, 歯周炎におけるGCF中のIL-1αおよびIL-1βとIL-1raとの比率は歯周ポケット内の炎症や歯肉の炎症の変化に関係することが推測された。