米粉糖化液を調製する場合には,十分糊化した加熱糊化液よりもむしろ糊化開始時期のものの方が酵素反応は良好に進行した.またその場合,米粉中のタンパク質の変性の度合いも低く,不純物として酵素に含有されるプロテアーゼも作用しやすかった.ケフィアから単離した酵母, K. marxianus HU-1は,清酒酵母のS. cerevisiae IAM 4512と比較すると糖化液培養中の挙動が異なっており,静置培養ではS. cerevisiae IAM 4512よりも生育度は低い値を示したが,振とう培養においては逆に高くなり,その生育速度も速かった.また,培養法にかかわらず,糖の消費が少なく,エタノール生成量も静置培養では約1%,振とう培養ではその生成がほとんど認められなかった.この性質は,糖化発酵飲料調製には適しており, K. marxianus HU-1を用いることにより,フルーティーで米粉糖化液そのものの甘さを活かすことができ,しかも低アルコール度の飲料が調製できる可能性が示された.